【自己紹介】配管工が、自分の家を自分で設計する理由。

初めまして。
配管工をしている【PS】です。

街中を歩いていると、ちょっと気になることがある。

住宅の外壁を見ると、エアコンの室外機からのびる配管が目に入る。「なんでこんなルートを通してるんだろう」と思う配管に、しょっちゅう出会う。メンテナンスのことを考えていない施工、将来詰まったときに手が届かない場所に設置された機器。悪気がないのはわかっている。施工する順番やどこが請け負う工事かで変わることも知っている。でも、知っている立場からすると、「もう少しこうすれば良かったのに」と思う場面は少なくない。

その仕事の目線で、自分の家を建てることにした。

だから「ハウスメーカー、工務店に全部任せる」という選択肢は最初からなかった。

このブログは、そんな僕が注文住宅を建てていく記録です。この記事では、まず自己紹介をさせてください。


住宅街でエアコン配管に気づく父

父の背中を見て、この仕事に入った

配管工になったのは、父の影響です。

父も配管工だった。子どもの頃からそういう背中を見て育ったわけですが、だからといって「絶対この仕事をする」と決めていたわけじゃない。実際、別の仕事をしていた時期もあります。でも長続きしなかった。

この仕事に戻ってきたとき、思ってたよりこの仕事が楽しかったんだなと気づいた。手を動かして、形になって、機能する。そのシンプルな感覚が性に合っていたんだと思います。今も続けられているのは、たぶんそのせいです。

今やっている仕事は、商業施設などの冷媒配管工事がメインです。そこに関係する排水工事や電気工事も手がけていて、たまに施工管理の仕事も入ります。取引先は企業なので、具体的な現場の話はあまり書けないのが正直なところ。ただ「住宅じゃなくて、大きな建物のインフラを支える配管を毎日やっている」というイメージを持ってもらえれば十分です。

この仕事をしていると、普段は見えていない場所の重要性がよくわかる。壁の中、天井裏、床下。そういった見えないところをきちんとしていないと、後々大変なことになる。そういう経験をたくさんしてきた。それが家づくりにおいての自分の強みだと思っています。


「自分で決める」というスタンス

「自分で家を建てる」というと語弊があるかもしれないので補足しておきます。大工仕事や基礎を自分でやるという意味じゃないです。

間取りの設計から、断熱材の選定、設備の仕様、配管の施工方法まで、「自分が良いと思ったことを自分で理解した上で決めていく」というスタンスの話です。

注文住宅に決めてから、本当にたくさんのことを調べました。断熱材の種類、気密の取り方、換気の仕組み、パッシブ設計……知らないことだらけで、今でも正直勉強中です。

ただ、仕事で培ってきた「見えないところへの嗅覚」は使えると思っています。壁の中の配管がメンテナンスしにくい位置にあると後々どうなるか。エアコンの隠蔽配管が将来どんな問題を起こすか。気密欠損が配管の貫通部でどう起きるか。

こういうことはカタログには書いてありません。でも家の快適さと維持コストに、じわじわ効いてくる話です。このブログでは、そういう部分を正直に書いていくつもりです。


図面を指さして工務店と打ち合わせ

神奈川県の森や田畑がある場所で育った

仕事の話ばかりしてもあれなので、もう少し自分のことを。

森や田畑が近くにある神奈川の環境で育ちました。コンクリートの中というより、土の匂いや草の感触が身近にあった子ども時代。小さいときに初めて行ったキャンプがとにかく楽しくて、それ以来アウトドアが好きです。

自然素材への興味は、服から入りました。コットン、リネン、ウール。化繊じゃなくて、自然繊維で作られたものを好んで選ぶようになって。服を選ぶときはまずタグを見て、何の繊維か、どこ産かを確認します。それがいつの間にか当たり前になっていました。

肌触りが違うんですよね。着ていて気持ちがいい。そして年数が経つと、いい感じに変化していく。その経年変化が好きです。家の素材への興味は、ここから自然につながっていった気がします。無垢の床、漆喰の壁。使い込むほどに育っていくものへの惹かれ方が、服のときとまったく同じなんです。


キャンプで焚き火を囲む家族

結婚して、「自分だけの家」じゃなくなった

少し個人的な話をします。

結婚して子どもが生まれて、家づくりに対する考え方が変わりました。独身のときは「自分が好きなもの」を基準に考えていればよかった。というか住宅環境なんて考えてもいなかった。でも今は、妻も子どもも一緒に暮らす場所を作るわけで、自分の好みだけで決めるわけにはいかない。

自然素材を選ぶのも、アウトドアを意識した間取りにするのも、「家族にとってどうか」というフィルターを通るようになりました。

化学物質を避けることよりも、自然素材それぞれの特性を理解して適材適所で使う。そうすれば結果的に健康にも良い環境になる。そういう考え方に落ち着きました。おしゃれだから自然素材、というのは半分だけ本当で、もう半分は家族のためです。


調べ尽くしても、答えはひとつじゃない

家づくりを調べていると、情報が多すぎて何が正解かわからなくなる場面があります。断熱のことひとつとっても、「高気密高断熱が最高」という人もいれば「そこまでやらなくていい」という人もいる。自然素材も「調湿できる」という話と「限界がある」という話が混在している。

ぜんぶの意見をまとめて「いいとこ取り」しようとしても、うまくいかないんですよね。あるメリットを取ろうとすると、他のメリットを打ち消してしまうことがある。

結局自分がやったのは、考え方や好みが似ている人を何人か選んで、その人たちを参考にしながら決めていく、ということでした。全員の意見を聞くんじゃなくて、「この人の感覚は自分に近い」と思える人を絞って、その視点を重ねていく。

このブログも、そういう「誰かの参考になる一人」になれれば十分だと思っています。

僕の考え方が全員に合うわけじゃない。でも「こういう考え方もあるんだ」という選択肢のひとつとして使ってもらえたら、書いている意味があります。

配管工という仕事の視点と、自然素材が好きな施主としての視点と、家族のための家を作る親の視点。それが混ざったブログです。どうぞよろしくお願いします。

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